法務|契約書の見るべきポイント
契約書には多くの条文が並んでいます。条文が少ないものでも10個くらいはあると思います。条文が多いものだと40〜50程もあります。。これらの条文が並んだ契約書のチェックはとても大変で、時間と労力もかかりますよね。
実は、契約書には「超重要条文」と「重要度の低い条文」とが存在します。今回は、その「超重要条文とは何か?」についてお伝えいたします。
契約書の柱は4つ!
では超重要条文とはどれのことをいうのか。簡単にいうと以下の4つに絞られます。
①合意の種類(取引内容)を定める条文
②契約期間についての条文
③対価や費用についての条文
④契約終了に関する条文
契約の種類を定める条文
例えば、売買契約であれば「物を買う。物を売る。」内容が書かれていなくてはなりません。同様に「業務委託契約」であれば、〇〇の業務を委託する。と言う合意の内容が条文に書かれていなければ業務委託契約になりません。
契約とは「意思表示が合致すること」。つまり合意することなので、「どのような合意がされたのか」をしっかり条文に明記しておかなくては契約が成り立たなくなります。実際に「業務委託契約」と思っていたが、実は内容をよく見ると「請負契約」だった。という事はフリーランスや個人事業主の方でも、発生しやすい事案なので気をつけるようにしなくてはなりません。
「業務委託契約」と「請負契約」の違いについては別の記事にてお伝えさせていただきますが、実際の案件ごとに精査するとなると法律家に相談することをお勧めいたします。
契約期間についての条文
売買契約のような1回の取引で終わるものについては問題になりませんが、業務委託契約等の、ある程度の期間継続して続くことを前提とした契約の場合には「期間」は重要になります。契約期間の定めがある場合は、その契約が終了します。一方で定めのない場合は、他で定めた「契約終了事由」がないと契約は終了しません。契約期間が明記されているかどうかはしっかり確認する必要があります。
対価・費用についての条文
契約の形態には「無償・有償」「片務・双務」の分類に分かれます。大多数の契約は「有償(対価を伴う)・双務(両当事者が債務を負う)」契約です。そこでチェックすべきは対価の支払いについての条文が記載されているかどうか。について十分に注意するようにしましょう。
契約終了に関する条文
特に読み流してしまいがちなのがこの条文です。一般的に契約を結ぶ段階は、ビジネスの成功を祈り、取引先との関係に期待するものです。そんな心情のなかだと、契約の解除や終了に関する項目を心配する人は少ないと思います。しかし、現実に紛争が生じるのは「取引が発展するとき」ではなく、「契約を解消するとき」です。
紛争予防・回避のためにも、特にこの項目については予防法務の観点から非常に大切になります。
私が実際に依頼を受けて契約書をチェックをする際も、この項目については特に細心の注意を払います。
実際に私が経験したものですと、取引先から渡された契約書を確認すると「取引先(甲)」「依頼者(乙)」だとして、解除を行使する項目に「依頼者(乙)」がくっきりなくなっていたり、取引先側が有利に解除を行使できる内容で書かれている。ということがありました。これは珍しいことではありません。「感じの良い取引先」と思っている場合でも、よくあることなので注意していただきたいです。
以上の4つ柱についてご紹介させていただきました。皆さんの事業取引を安全に守るのは契約書です。ぜひ参考にしていただければ幸いです。^ ^